皆さんの会社では、何らかの業務アプリケーションが使われていると思います。
小規模な会社では、市販品の会計パッケージソフトであったり、クラウドサービス上の経費精算システムであったり、ある程度の規模の会社では、パッケージソフトに自社専用の機能を追加したり、或いは全くゼロから自社様アプリケーションを作りこんだりと、規模の大小の差はあっても、何らかのソフトを使って日常業務をこなしているはずです。
データ活用(分析)するためのデータと、日常業務で使うデータは異なります。
分析するためのデータは、分析したい内容に応じたデータ項目とデータ量、そして入力された値の正確さ、いわゆる質が重要になってきます。
業務で使うアプリは利便性や効率化を追求するため、業務で支障のない必要最小限のものしか入力されず、あとはコメント欄につらつらと書き込まれた情報を使って業務を進めていくケースが非常に多いです。
本当は将来のデータ活用を見越して、あらゆる情報が正確に入力、蓄積すればよいのですが、そんなことをしたら手間ばかり増えてアプリを導入した意味がありません。
そこで、仕方なくデータを絞るわけですが、この時、将来入力したデータを使って効果を出したい内容を念頭に、入力項目を絞り込むことが重要です。
つまり、パッケージやアプリケーションを導入する際に行うシステム設計、もう少し具体的に言うと、要件を決める段階で将来のデータ活用を意識し、それを盛り込んでおかないと、いざ使おうとした時に、「このデータが無い」、「このデータはいい加減にしか入力されていない」という状況になり、結局データ活用が出来ないという結果になりかねません。
無論、熟考して項目を決めていても、使う段階で「この項目が足りなかった」という事はゼロではありませんが、出したい効果を考えて項目を絞った方が、不足項目が格段に減るはずです。
これは非常に大切なことなので、もう一度繰り返しますが、パッケージやアプリを導入する時点で、将来このデータをどんな風に活用し、どんな風に効果をだしたいのかを考え、それに必要な項目を洗い出し、入力項目にしていくという作業が、データ活用をする上で一番の近道になります。
もし、既存の業務システムを刷新するような機会があれば、是非要件定義の段階でデータ活用の道筋を考え、設計時にその機能を盛り込んで下さい。
また、業務フローを検討する際には、現場の入力担当者がいい加減な入力をしないようなルールや運用手順、或いはデータの品質を維持するための体制も同時に検討するようにしてください。
そうした努力をして、初めてデータ活用が現実的なものとなります。
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