(8)AIに感情は芽生えるか

 

「AIは機械だから感情はない」とか言われていますが、果たしてどうでしょう?

そもそも人の感情とはどういうものなのでしょう?

そこには脳が様々な情報を読み取って、脳の感情をつかさどる部分を刺激しているのでしょうが、例えばAIが顔の表情や声のトーン、身振り手振りから相手の感情を推測し、数多くの人間から学習した、その感情に最も適した表現方法(ロボットなら顔の表情、声のトーン、身振り手振り)を相手に返すとしたら、それは感情が無いと言い切れますか?

例えるなら、完璧に蟹の見た目、味、触感、香りを模倣した「蟹かまぼこ」を出されて、それが蟹でないと言い切ることができるかという事です。

中身はどうであれ、人はそれを蟹だと認識してしまいます。

AIの仕組みが何であれ、見た目上完全に感情を模倣してしまうなら、もはやそれは感情があるとしか見えませんよね。

ということで、「高度なAIであれば、感情があるとしか思えない」という事でしょうか。

つまり、受け取り側次第です。

3年前に発表されたアンドロイド「エリカ」は、大阪大学、京都大学、国際電気通信基礎技術研究所による共同開発により生まれた、人間との共生を目的としたアンドロイドです。

アンドロイドと言っても、現時点で自由に動き回ることはできませんが、限定された場所の中で人と自然な会話が行えます。

動画の中には記者からのインタビューにに答えるシーンがありますが、受け答えを見ると人工知能の完成度の高さが伺えますね。

更に進化したバージョンが、2018年4月に日本テレビに入社しています。

まだまだ感情を表現するというところまでは至っていませんが、どんどん学習していくことで、より人間らしくなっていくのではないかと期待しています。

もっと身近なところでは、マイクロソフトが提供している「りんな」というAIがあります。

こちらは「体」を持たずにLINEの中だけに存在している、いわゆるチャットボットなのですが、今時の女子高生という設定で、自然な会話が楽しめるというものです。

公式ページのバーコードスキャンでLINEと友達になると、誰でも会話することが出来ます。

近い将来、自由に動き回れる人間そっくりのロボットが開発され、「りんな」や「エリカ」より更に進化したAIが搭載されたら、たぶん相当割り切らないと、アンドロイドに感情が無いなんて言えないんじゃないでしょうか。

なんせ、人間は可愛いものや気に入ったものに感情移入する生き物ですから。