「AIで仕事がなくなる」は嘘か?

AIが発展することで仕事が無くなるという方がいる一方、仕事はなくならないと考えられている方もいらしゃいます。
どちらが正解かは、この10年、20年で答えが出てくるのでしょうが、一技術者としての私の考えは「無くならない」です。

ただ、仕事の内容は変化すると思います。

たとえば、スーパーのレジであったり、ウェイトレスであったり、税理士や会計士、パラリーガルであったり、ありとあらゆる仕事がAIを搭載したソフトウェアやロボットで効率化されます。

その結果、それらに関する仕事が無くなることは無くとも、大幅に減少するのではないかと考えています。

コンピュータが仕事で使われだしてから、30~40年経過していますが、その間に我々の仕事は大きく変わりました。

昔はワープロや表計算程度だったものが、今はあらゆる所にパソコンが置かれ、日々の業務をサポートしています。

そして、そのサポートの程度は、より大規模で複雑化しています。

昔は印刷すること自体がめずらしく、みんな手書き文書をコピーして配布ということをやっていましたが、今は誰でもがワープロや表計算で資料を作成し、プリンタで印刷して配布していますよね。

つまり、印刷業者の仕事量が減り、専用のワープロオペレータという業務が無くなったわけです。

その代わり、会社勤めの方はパソコンをある程度使いこなすスキルが必要になってきました。

これは、一つの業務が無くなったのではなく、形が変わったという一例です。

私が学生時代のころ、「将来、サラリーマンにはプログラミングのスキルが求められるようになる」と言われていました。

でも、実際にはそんなことは全くありませんね。

無論、出来るに越したことは無いですが、多くの方はプログラミングとはあまり関りがありません。

それは、パソコンのハードウェアとソフトウェアが共に進化したことにより、ある程度の事はプログラムしなくても出来る様になったからです。

技術が進歩することによって、今は難しくて特別なスキルを持たないとできないことが、いとも簡単に誰でも出来る様になることもあります。

AIが今より進化することにより、誰でもできることが自動化され、特別なスキルが必要な事が、誰でもできるような時代が来るのだろうと考えています。

ITによる技術革新は、もっぱら労働力の効率化や向上でした。

何度も転記するようなことを無くしたり、人が細かく管理していたことをコンピュータに管理させたりという具合に、今働いている人の無駄を取り除き、生産性を高める事が主な目的でした。

AIの場合は、人間が自然に置くなっている物事の認識や分類、判断、或いは予測の能力を、人間以上のスピードで、なおかつより複雑な事象にまで広げて強化することを目的にしています。

なので、AIが進化していくことで、今まで効率化の対象外だった、知的スキルを必要とする弁護士、医者における知的部分を、大幅に効率化してくれることになります。

その結果、本当に高度な医療技術を持った人や、人とのコミニュケーションに長けた人は残りますが、そうでない人は淘汰されるか、少なくとも今より収入が減ることになるでしょう。

言い換えると、人とのコミニュケーション力が必要で、その能力に長けた人材は、おそらくどの業種でも生き残っていくと思われますが、そうでない方々はAIと機械に職を奪われてしまいます。

ただ、完全に失業するかというとそうではなく、ちょっとした肉体労働とか、ロボットの修理とか、今は無い新しい仕事が生まれてくるので、失業対象者の大部分がそちらの業務に流れていくのではないかと思います。

問題は、その時代に就いていけない方です。

今は仕事でパソコンを使うのが当たり前の時代ですが、パソコンに拒否反応を示す方も多くおられます。

それと同じで、新しい時代の職業になじめない方も多く生まれるのではないかと思います。

そうならないために、時代の変革についていける柔軟な適応能力が、これからの時代に求められるのでしょう。

そういえば、AIに関する記事の中に、「レストランでオーダーを聞いて食事を出すロボットが出来ても、時給1000円で借りることができない限り、人間の仕事は無くならない。」という意見が掛かれたものがありました。

まさにその通りで、コストが見合わないとロボットは普及しないです。

ただ、時給1000円で1日12時間、365日休みなく働いた場合、1年間で438万円になります。

もし1千万円でロボットを買った場合、2年半で元が取れますよね。

もしくは、電子決済が当たり前になって、完全自動化の24時間店舗があちこちに登場したとしたらどうでしょう。

つまり、時代と共に様々な状況が変化し、量産化でロボットのコストダウンが進んでいくなら、時給1000円の仕事でさえ、安心はできませんね。

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