どうする?AI技術者が圧倒的に不足!

あと10年で58万6千人の技術者が必要

巷では、IT技術者が不足していると言われています。

下記は経済産業省がみずほ情報総研(株)に委託した調査の結果で、2016年6月10日に提出された資料の一部です。


    出展:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」7ページ目

これによると、2019年現在で既に26万8千人が不足しており、2030年には倍の58万6千人が不足すると予想されています。

そして、その中でも「人工知能」「ビックデータ」「ロボット」「IoT」の技術者が圧倒的に不足するとのことでした。


    出展:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」10ページ目

 

「ビッグデータ」「IoT」「ロボット」は、ちょうど人工知能、つまりAIを取り巻く環境のようなものです。

全てにおいて、AIが関係してきます。

つまり、AI技術者が圧倒的に不足してくるという事なんですね。

そして、内閣府は、AI人材基盤の確立を急ピッチで進めるための対策に乗り出してきました。

    出展:内閣府 「人工知能(AI)技術戦略」

そこには、「先端IT人材を毎年約2~3万人、一般IT人材を毎年約15万人追加育成することが急務である」と記載されています。

 

何故こんなに不足するの?

良く言われているのが、以下の理由です。

  • IT市場の成長
  • 技術者の高齢化
  • IT業界に対するブラックなイメージ
  • 技術の細分化と進化の速さ

まず、IT市場の成長は、ZDNet Japan の記事によると、2022年までは平均2.2%で成長していくとの予想されています。

今でも不足している訳ですから、この状態で成長し続けると、当然人材不足も拡大していきますよね。

技術者の高齢化も課題の一つです。

かく言う私もその一人なんですが、少子化高齢化の影響により、若者が少なくなる一方で、定年で技術者が退職してしまうため、IT市場の成長があろうが無かろうが、確実に人材は不足していきます。

IT業界に対するブラックなイメージというのも深刻ですね。

私も昨年入社した新入社員から、IT業界は勤務体系が過酷でブラックなイメージがあると聞かされました。
確かに思い当たる節は有ります。

最後に、技術の細分化と進化の速さなんですが、私がIT業界に入ったころは、数式計算用としてFORTRAN、事務用としてCOBOL、数式&事務どちらもOKなPL/I、制御系はC言語かアセンブラ、パソコン用のアプリはC言語かPascal、人工知能向けにLISPという状況でした。

無論、今の様なLANもそれほど普及しておらず、インターネットも存在しないのでWebアプリはありませんでした。

それが今は、主要なものだけでも数十種類、派生形を入れると百を超える数の言語が登場しています。

データベースの種類も増え、扱うデータ量も桁違いになり、ネットワークを通じて様々な機器が通信するようになると、数多くの規格が登場し、それ毎にノウハウが必要となってきました。

そして、増え続けるデータを活用するようになり、AIが登場し、それら全てが日々進化し続けています。

この様な背景があるので、人材不足が深刻になってきているのです。

今はAI技術者が就職に有利

 
将来はデータ分析の仕事自体が、AIに取って代わられる可能性はありますが、少なくともあと10年から15年はAI技術者が必要です。

AI技術者が増えなければ、2045年に到来すると予想されるシンギュラリティ(技術的特異点)は、ひょっとして遅れるか、来ないかもしれません。

昔話をして恐縮ですが、かつてホストコンピュータ全盛時代、ダウンサイジングという掛け声で、ホストコンピュータにさせていた処理をパソコンに移し替える作業を推進していましたが、これは同時に自社のホストコンピュータの売り上げを減らしてしまうという状況を生みました。

今AIを進めることが、将来は自分たちの仕事を奪ってしまうのではないかという危惧はありますが、ダウンサイジング後のホストコンピュータ部隊がサーバを運用するという業務に転身し、売り上げを伸ばしていったように、シンギュラリティに到達しても、AI技術者は今とは違う形で必要不可欠な存在として存続していくのだろうと思います。

シンギュラリティは来ないという説もあるので、それは置いておいて、この先は当分、AI技術者が不足しているという事実と、もしあなたがIT系の就職、または転職を目指すのであれば、今AIに関するスキルを身に着けておくことが、将来にとって役立つのは間違いありません。

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