データ分析という言葉には色々な定義がありますが、私は「集めたデータの中から、課題解決において価値を持つ情報を見つけ出す行為」だと考えています。
課題解決とは、会社を経営していく上で解決しなければならない問題、たとえば売り上げを伸ばしたい、コストを圧縮したい、退会者を減らしたい等のことです。
価値を持つ情報とは、売り上げが伸びない原因であったり、コストがどの材料や作業に、どれくらい掛かっているのかだったり、退会の兆候を事前に見つけ出したりという風に、課題解決の対策を打つために役立つ情報です。
データ分析それ自体をどれだけ進めても、課題は解決しません。
そこには、課題を解決する人が何らかの判断を行い、人やモノを動かす行為が必要となります。
言い換えると、データ分析は「集めたデータの中から、課題を解決する上での検討材料となる情報を見つける行為」とも言えます。
AIは、この「課題解決する上での検討材料となる情報」を見つけるための1つの手段です。
AI以外にも、単にEXCELでグラフを書いたり、集計表を眺めて仮説を考えたりすることで検討材料を見つける事が出来ますし、今まではそうやってきました。
今も多くの企業、とりわけ中小企業においては、今もEXCELで集計してグラフ化するという手段を使っていますし、これでだけでも十分判断材料として活用できます。
ただ、様々な情報が大量に発生する今日において、EXCELでは集計しきれない、或いはEXCELだけでは十分な分析が出来ないことも、しばしば起きています。
たとえば、縦が100万行、横が300項目の一覧を渡されて、その中から売り上げに関係している項目はどれか、どんな関係性があるかを見つけてくれと言われたら、気が遠くなるような作業が必要となります。
或いは、2000万人の利用者の中で、100項目ある顧客情報(年齢、性別、年収、直近の購入商品、リピート商品、購入頻度、etc…)を、よく似たもの同士でグループ分けして、グループごとに売れそうな新製品をピックアップしてくれと言われたら、グルーピングするだけでも大変ですよね。
AIは、このようなことを自動で見つけてくれます。
もちろん、出された答えが100%完璧ではなく、人が答えの正当性を検証する必要はありますが、これまで手作業では見つけられなかった法則や知識、あるいはヒントを見つけ出してくれます。
多種多様のデータが複雑に絡み合った中から、課題解決のための意思決定に必要な情報を見つけようとした場合、AIは威力を発揮します。
そして、この様な用途に使われるAIは、機械学習と呼ばれる手法が用いられます。
まとめると、
「大量で複雑に絡み合ったデータの中から、意味ある情報を見つけ出すためにAIが活躍していて、この時のAIは、機械学習と呼ばれる手法を使う」
という事になります。
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