AI構築手順

 

AIは課題や問題を解決するための道具です。

そして、専用のパッケージソフト、或いはAIの作成をサポートしているプログラム言語を用いて作成します。

2045年頃に登場するとみられる汎用AIなら、やりたい事を言葉で説明するだけで、あとは様々な問題を解決してくれるのだろうと思いますが、2019年現在において、そのようなものは存在しません。

では、どうするかというと、データアナリストとかデータサイエンティストと呼ばれる専門家が、お客様の課題を聞き取り、その問題解決に最もふさわしいAIを選択し、構築するという手順を踏みます。

例えるなら、お客様のライフスタイルに合った注文住宅を作るようなもでしょうか。

システム開発の技術者(システムエンジニア/プログラマ/オペレータ)は、お客様の持つ課題を、ソフトウェアの開発を通して解決に導く役割です。

AI開発の技術者(データサイエンティスト/データアナリスト/AIエンジニア)は、お客様の持つ課題を、AIの開発を通して解決に導く事が役割です。

AIは、コンピュータを使って=プログラムによって人間の知能と同じ(あるいはそれ以上)働きをさせるものなので、様々な手法(アルゴリズム)が考えられます。

現時点では、数学や統計学を利用した「機械学習」と呼ばれる手法が一般的なので、AIエンジニア=機械学習エンジニアと呼んだりします。

前置きはこれくらいにして、実際の手順を見ていきましょう。
 

AI構築の流れ

 
下記はビジネス用途でAIを構築する場合の、一般的な手順です。

今回は6ステップに分けて説明していますが、実際は個々のステップにおいて、もうすこし作業が細分化されます。

また、必ずしもこれら全てが行われる訳ではなく、案件によっては前後のステップが省略されたり、一部のステップだけを実施することも多々あります。


 

お客様の課題を整理する

 
多くの場合、業務担当者は課題を認識していても、それを第三者に伝えることが苦手です。

また、業務担当者は表面的な(自分が実際に困っている事象)物にか見ておらず、真の課題はもっと裏に潜んでいているのかもしれません。

従って、業務担当者にヒアリングして、真の解決すべき課題を吸い上げ、経営層を含めた第三者が分かる形(ドキュメント)に落とし込む作業が必要となります。
 

解決方法を検討、提示する

 
課題の整理が出来たら、その解決策と優先順位付けをしていきます。

システム開発の場合、例えば利益率向上、効率化、迅速化、品質向上などの課題解決のために、必要な機能や仕様を定義していきますが、
AIの場合は、どんな知能が必要なのかを定義していきます。

AIで言う知能とは、人が考えたり判断する代わりになるものなので、例えばレントゲンの画像を見て「病気の有無を見つけたい」とか、設備に取り付けられたセンサー情報を見て、「あとどれくらいで故障するかを予測したい」などが定義の内容になります。

それから、AIを作るにはコストと期間が必要になるため、それに見合った費用対効果が得られるか否かについても判断しなければなりません。
 

必要なデータを収集/加工する

 
AIを作る上で必要なのはデータです。

しかし、通常はAIを作る前提で蓄えらていませんので、様々なシステムに散在するデータを結合し、異常なデータを削除したり、欠落したデータを補完したり、或いは処理しやすい形にフォーマットを変えたりする必要が必要になります。

また、この後に続くAI作成に必要な前提知識を得るため、業務に関することや、入手したデータ項目の意味、特徴などをグラフで可視化し、把握しておくという作業もこのタイミングで行います。
 

機械学習を用いてAIを作成する

 
ここまで来て、初めて機械学習を用いてAIを作ります。

機械学習を行うツールは、マウスで操作するグラフィカルなものからPythonやRと呼ばれるプログラミング言語を駆使するものまで色々な種類があり、値段も無料のものから数千万に至るものまで幅広く存在します。

高価なものほどマウスだけで操作が可能で、プログラムの知識が無くても使うことができ、サポートも充実している傾向があります。

AI作成を請け負う会社は、PythonやRなどのプログラム言語を使っているケースが多いです。
 

お客様に結果を報告/納品する

 
AIを作ったら、お客様にAIの性能を報告します。

例えばレントゲン画像を使った診断AIなんかだと、どれくらいの認識率になるかを報告します。

認識率をお客様に承認いただいたら納品となりますが、認識率の向上を希望される場合、再度手順やアルゴリズムを変えて、AIを再作成します。
 

結果をビジネスに活用する。

 
めでたくAIが完成しても、そのままでは何の役にも立ちません。

AIは使ってなんぼのものなので、ビジネスで使えるように支援します。

支援の方法は様々で、現場で使われているシステムへの組み込みをお手伝いしたり、AIが使える専用のシステムを新しく作ったり、お客様の依頼に応じて現場にAIが定着するよう支援を行います。

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