・チャットボットとAI

 
 

チャットボットは、チャットとロボットを組み合わせた造語です。

チャットは、コンピュータネットワークを通じて、複数人数でリアルタイムにメッセージのやり取りをするものです。

例えば、LINEなどが有名ですね。

LINE以外にも、「チャベリ」や「CHAT WORLD」、「ミラクルチャット」など様々なサービスが存在しますし、ソフトウェア開発の会社では、社内専用のチャットサービスを立ち上げて、社員同士のコミニュケーション、或いは仕事の作業指示や質疑応答に活用していることも多いです。

チャットの相手は人間ですが、相手をロボットに変えたものがチャットボットになります。

チャットボットの役割は、利用者の質問に答えること。

例えば社内で使われる各種申請手続きや、お客様からの問い合わせなどは、今まで人が電話で応対していたわけですが、これをチャットボットが受けて回答を返すということで、業務の効率化を図るのに活用されています。

 

チャットボットの仕組み

大きく分けて、質問と回答のルールを登録している方法(ルールベース)と、質問の文面から意図を解釈し、学習した知識を使って答えを返す方式(AI方式)の2種類があります。

ルールベースは入力された質問のテキストを語句に分解し、その中に含まれているキーワードに応じて答えを返す仕組みになっており、条件判断式で成り立っています。

ある程度簡単な質疑応答が出来るチャットボットは作りやすいですが、多岐な質問に回答する場合、条件判断が複雑になってくるため、ルールを登録することが困難になります。

また、作り方にもよりますが、特定のキーワードが含まれていると答えを決め打ちで返したり、質問文の揺らぎ(同じ意味でも微妙に言い方が違う)に対応できなかったりなど、柔軟性は高くありません。

AI(人工知能)のレベルでいうと、レベル1、もしくはレベル2に相当します。

2019年現在においても、このルールベースのチャットボットが数多く存在しており、価格設定が低く設定されています。

一方、AI方式のチャットボットは、AIのレベルでいうとレベル3、レベル4に相当します。

こちらは機械学習を使って質問の意図を解釈するため、質問の文章と答えの文書を対として用意する必要はあるものの、ルールベースのチャットボットの様に細かい条件判断を設定する必要は無く、文章の揺らぎ(同じ意味でも微妙に言い方が違う)が多少あっても柔軟に対応が可能です。また、想定していない質問の文章があった場合でも、学習によって対応の幅を広げることが可能です。

ルールベースのチャットボットの事を「人工無能」と呼ぶことがありますが、これはAI方式のチャットボットと区別するために使われる表現です。

そもそもAIの定義自身が曖昧であるため、ルールベースはAIでは無いと書かれるケースもありますが、AIは人の「人間の知的能力をコンピュータ上で実現するもの」であり、その方法については特に定められていません。

従って、ルールベースのチャットボットもAIと呼べるのですが、一般的には機械学習を使うチャットボットはAIに分類され、ルールベースのチャットボットはAIに分類されないケースが多いようです。